量産開発・カスタムサービス

 

Raspberry Pi をはじめとするSingle Board Computerは、ホビー・教育分野で爆発的に普及し、その普及の過程で、利用経験のあるユーザが増加し、利用情報や周辺環境が整備され、ホビーや教育用途では非常に使いやすい環境が整っています。しかしながら、これらのSingle Board Computerを開発する量産製品で利用するとなると基本性能面では問題ないとしてしても、そのボードの品質保証や検査体制、トレーサビリティー、グリーン調達など数多くの課題があります。

ここ数年は業務用途での利用を本格的に検討するお客様が増えていますが、これらの課題を十分に理解した上で、業務利用されるお客様もいれば、諦めざるを得ないとの判断に至るお客様もおります。TechShareでは、適切な情報提供でこれらの判断をお手伝いしたり、量産利用を開始した場合の各種サポートを提供しています。Single Board Computerがもっと量産開発で利用される日が来ることを目指してサポート体制の強化に努めています。

 

1. 量産開発でのSingle Board Computerの選択肢

TechShareで提供できる量産開発用のSingle Board Computerは、通常のカードサイズ程度の標準ボードとそれらを簡易カスタムしたカスタムボード、更にメーカーにより組込み用のコアモジュールを標準ラインナップとして用意していたり、カスタムでコアボードを提供するメーカーなどもあります。最も普及しているRaspberry Piの場合は、標準のRaspberry Pi、Compute Module(コアモジュール)に加え、カスタムRaspberry Piの3つのベースボードとして選択ができ、量産開発の目的に合わせてご利用いただくことができます。

 

<Raspberry Piの例>

 

2. ベースボードの選択(Raspberry Piの場合)

たとえば、最も普及しているRaspberry Piの場合、Raspberry Piでの量産メリットは、既にコンセプトプロトや利用経験のあるアプリケーションの資産や経験値を転用して、簡単に開発ができること。また、大量に流通するRaspberry Piのコストパフォーマンスを享受し、小規模量産でも開発コストを大幅に抑えることができることなどが上げられます。これらのメリットを生かしつつ、利用できるベースボードはRaspberry Piの場合には、下記の3つがあります。

 

1)Raspberry Pi 標準ボード

Raspberry Pi 標準ボードを選択する理由としては、標準のI/Oをそのまま使って実現できる用途で、少量でも標準ボードのコストパフォーマンスをそのままに、小規模量産を低コストで実現できるので、比較的小規模量産に向いたソリューションとなります。

2) カスタム Raspberry Pi


 

カスタム Raspberry Piは、主にMOQで1,000個超える小規模量産で利用できる量産ソリューションです。

カスタム Raspberry Piは Raspberry Piの標準ボードでIOポートの機能と数は要件を満たしている。しかしながら、余分なポートが多い、I/Oポートの形状や向きに問題があり最終製品の筐体へ納める際に物理的な問題が生じるなどの問題に対処できます。

Raspberry Piのローコストのメリットを享受するため、大規模なカスタマイズは避け、I/Oを取ったり、交換したりする程度の簡易カスタムがおすすめです。

 

3) Compute Module(Core Board)

Compute Moduleモジュール自体は、1個からでも入手できますが、Compute Moduleを載せるベースとなるIOボードを作る必要があるので、比較的大規模な量産でおすすめのソリューションとなります。標準ボードではIOポートが不足している場合や大きなカスタムが必要な場合、他の機能を搭載したIOボードを製作したい場合など、Compute Moduleの利用が最適な選択肢となります。 

3. 量産に必要な情報とサービスを提供

TechShareでは、Raspberry PiやBeagleBoneなどのSingle Board Computerで量産開発を進めるお客様向けにテクニカルサポートサービスを提供しています。

通常、ネット通販のみで流通するSingle Board Computerは、Raspberry Pi財団やBeagleBone.orgなどのWebサイトで情報が公開されているのみで、追加の情報提供や技術サポートは全く受けることができませんが、故障や不良に関しても、初期不良のみの交換対応で、故障や不良の原因解析など対応は通常ありません。TechShareでは、カスタム製造などのサポートで培ったメーカーとの関係や経験を生かして、量産開発で利用されるお客様が必要なサービスを提供しています

1)品質や試験に関する情報の確認

Single Board Computerを業務や量産開発で利用する際の最大のハードルの一つが品質確認や信頼性が期待するレベルにあるかどうかの判断です。実際の生産プロセスや品質試験などの情報を確認し、現地視察などを含め信頼できる正しい情報をベースに、業務や量産開発での利用範囲を判断いただくことができます。

■グローバルスタンダードの高い品質管理ができる生産工場

弊社で供給するRaspberry Piは、医療デバイスや自動車用のデバイスも製造できるグローバルスタンダードの認証を得ている高いレベルのオペレーションができる工場で生産されています。弊社では生産現場の視察などを含めプロダクションメンバーサービスでお手伝いをさせていただいております。

■オープンソースハードウエアの品質試験

オープンソースハードウエアの品質試験は、一般の産業用ボードと比較すると、一部簡易的な品質試験方法を採用し、コストダウンしている言われています。必要に応じて、実際の生産プロセスや品質試験情報を確認し、起こりうるリスクを判断することがプロダクションメンバーサービスを利用すれば可能となります。

2)確かなルートでの仕様情報の確認

実際に量産開発の仕様検討を始めると大きな問題の1つが、確かな情報の入手先の確保です。Raspberry PiやBeagleBoneなどのオープンソースハードウエアでは情報源が確認できない不確かなWeb情報は大量にありますが、信頼できるルートで情報を確認することが難しいボードが多いのも事実です。

公式ページ等で情報を入手頂くことが前提となりますが、そこで確認できない情報等の確認作業を弊社のプロダクションメンバーサービスの一環としてお手伝いさせていただいております。

3)量産利用のためのカスタム納品

 量産利用時に不要となるリテール包装や付属品などを取り除いた量産用にカスタム梱包しての製品供給も可能です。生産現場が作業しやすい納品形態でご提供することで不要な生産性の低下を防ぎます。

4)流通のための必要な書類の入手や発行

 TechShareのプロダクションメンバーサービスでは、パラメーターシートや非該当照明などの製品の輸出時に必要となる届出書類などの作成を支援しています。

 

 

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