[MG400]減速機付きと標準品の違い

 1. はじめに

MG400には標準品のほかに、J4軸の先端に減速機がついた機種も存在します。減速機があることで、減速比に応じてJ4軸を回転させるための出力トルクが大きくなるため、より大きなトルクでワークを扱うことが可能となっています。さらにワークを動かした際に発生するJ4軸にかかる負荷トルクに関しても、減速比に応じてJ4軸を回転させるためにより大きなトルクが必要となるため、J4軸の動作の安定性を向上させることができます。本稿では、同じ条件下での減速機の有無によるMG400の挙動の変化を紹介したいと思います。

 

 

2. 減速機の有無による違い

下図はMG400の標準品(standard)と減速機付き(with motor reducer)の性能表です。
定格トルク(Nominal torque)が通常版が0.16[Nm]に対し減速機付きバージョンでは0.675[Nm]となり、4倍ほど大きくなっています。このトルクの強さによりこれまで通常版では位置を決めきれずに振動を起こしてしまう作業においても安定します。

 

偏心量に対するペイロードの大きさ

減速機の有無による性能の違いとして顕著なのが、J4軸の中心とワークの重心との距離(この先「偏心量」と表記)が大きい場合における、MG400の運搬できる重量(この先「ペイロード」と表記)です。MG400では偏心量とペイロードには制約があり、偏心量が大きくなると、その分ペイロードが小さくなってしまうという特徴があります。減速機が付くことによって、このペイロードの減少を抑えることができます。

それを表したのが下記の2つの図です。横軸が偏心量、縦軸がMG400のペイロードとなっています。
例えば偏心量が60mmほどになる場合、標準品ではペイロードが190g程度まで小さくなっているのに対し、減速機付きでは700g程度を維持しています。
このように減速機が付くことで同じ偏心量に対しても、ペイロードの大きさが全然異なっていることが分かると思います。

3. 減速機付きの購入をおすすめするケース

2-1. 重量が大きいワークを扱う場合

メーカー推奨値の500g以上のワークを動かす際には、J4軸にかかる負荷トルクはその分大きくなります。減速機を用いていただければ、その負荷によるブレや振動の発生を抑えることができます。

2-2. 細長いワークや面積が大きいワークを扱う場合

重量が大きいものを扱う場合と同様に、細長いワークや面積の大きいワークを扱う際には、j4軸にかかる負荷トルクが大きくなります。そのため減速機では、ブレや振動の発生を抑えることができます。

2-3. 偏心量の大きいワークを扱う場合

先程のグラフの通り、減速機では偏心量が大きくなっても、ペイロードの減少を抑えることができるため、有効です。

 

 

本稿では、減速機付きのMG400と標準品のMG400の違いをご紹介しました。

ご不明点等ございましたら、お気軽にdobot@techshare.co.jpまでお問い合わせください。

 

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