1. はじめに
DOBOT製品(MG400, M1Pro, CR, Nova)は、制御ソフトウェアDobotStudio Pro v2を使用する事で、Blockly、Scriptによる制御を行うことができます。本稿では、上記製品のうち、Novaの設置からDobotStudio Pro v2に接続するまでの方法をご案内します。
※DobotStudio Pro v4には対応していないので、必ずDobotStudio Pro v2での制御をお願いします。
2. 環境
以下の環境にて、このセットアップ手順が有効であることを確認しています。
OS: Windows 10,11(64bit)
ソフトウェア: DobotStudioPro v2.7.1, v2.8.0
製品: Nova
3. セットアップ手順
3-1. ロボットアームの導入
Novaの導入方法に関しては、別記事でまとめておりますので、こちらをご参照ください。
3-2. PCとロボットアームの接続
PCとNovaの接続に関しては、付属のUSBドングルを使用して無線接続をする方法と、LANケーブルを用いて有線接続をする方法がございます。
ここでは3-2-1で無線での接続方法、3-2-2で有線での接続方法をご案内します。
3-2-1. USBドングルを用いて無線接続をする場合
Step1
右下のWifiマークをクリックし、[Wi-Fi接続の管理]を選択してください。
Step2
NovaのWi-Fiに接続してください。
Nova2であれば「Dobot_WIFINV2-○○」、Nova5であれば「Dobot_WIFINV5-○○」を選択してください。
初期パスワードは「1234567890」となっています。
3-2-2. LANケーブルを用いて有線接続をする場合
IPアドレスの固定
Step1
LANケーブル(ストレート)を用意し、片方をCCBoxのLAN1に、もう片方をPCに接続してください。
Step1
スタートアイコンをクリックし(またはキーボードのWindowsキーを押し)、設定アイコンを選択してください。
Step2
[ネットワークとインターネット]を選択し、[イーサネット]から、[アダプターのオプションを変更する]を選択してください。Step3
Novaを接続しているイーサネットのショートカットアイコンを右クリックし、[プロパティ]を選択してください。
Step4
[インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)]をクリックし、[プロパティ]を選択してください。Step5
[次のIPアドレスを使う]にチェックを入れ、IPアドレスを[192.168.5.10]に、サブネット マスクを[255.255.255.0]に設定し、[OK]をクリックしてください。 [備考] [192.168.5.10]は一例です。厳密にはNovaのLAN1のデフォルトIPである[192.168.5.1]と重複しない、セグメントが[192.168.5]であるIPアドレス[192.168.5.X]を選択してください。
3-2-3. ロボットアーム通信確認
無線接続・有線接続に関わらず、手順が終了しましたら
コマンドプロンプトより、以下のコマンドを実行してNovaと通信ができるかどうかご確認ください。
ping 192.168.5.1
実行結果は以下のようになれば次の手順へ進んでください。
3-3. DobotStudio Proとの接続
Step1
下記リンクよりDobotStudio Proのインストーラをダウンロードしてください。最新バージョンはv2.8.0です。(2024年3月11日現在) ※DobotStudio Proのv4には対応していないので、必ずv2をインストールするようにお願いします。
ダウンロードの際には無料会員登録が必要となります。
Step2
ダウンロードしたインストーラを起動し、案内に従ってインストールを行ってください。
Step3
DobotStudioProを起動し、下図の部分をクリックしてください。この時、[dobotstudio Pro]と[dobotlink]でファイアウォールによる警告が表示される場合がありますが、許可をしてください。
Step4
電源の入ったNovaが接続されている場合、DobotStudio ProはNovaを自動で検出します。下図の位置に表示されるので[Connect]をクリックしてください。
接続に成功した場合は[Online]と表示されます。
3-4. 言語設定の変更
DobotStudio Proは、言語がデフォルトで英語に設定されています。[メニューアイコン] > [Language] > [日本語]を選択することによって言語設定を日本語に変更することができます。
セットアップは以上で完了です。
4. 接続ができない場合
上記の手順でNovaがDobotStudio Proに接続できない場合、次の手順に従って設定を行ってください。
4-1. DOBOTLinkの起動
DobotStudio Proのホーム画面から、[設定] > [基本設定] を進むことによってDobotlinkを起動できます。
4-2. Windowsネットワーク環境の確認
Step1
スタートアイコンをクリックし(またはキーボードのWindowsキーを押し)、設定アイコンを選択してください。
Step2
[ネットワークとインターネット]を選択し、VPNとプロキシの設定をオフにしてください。secure DNSは使用しないでください。4-3. プロジェクトファイルへのアクセス
Step1
コマンドプロンプトを管理者権限で開いてください。
Step2
以下の文字列を入力して、[Enter]で実行してください。
net use \\192.168.5.1 "dobot" /user:"root"
4-4. SMB1.0の有効化
Step1
スタートアイコンをクリックし(またはキーボードのWindowsキーを押し)、設定アイコンを選択します。検索に[Windowsの機能の有効化または無効化]と入力し、Enterを押します。
Step2
スクロールダウンをして、[SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート]を有効にし、チェックを入れてください。また、[SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート]以下の3つの項目についてもまたチェックを入れます。
Step3
Windowsを再起動してください。
4-5. Windows ファイアウォールのアプリケーション許可設定の確認
Step1
スタートアイコンをクリックし(またはキーボードのWindowsキーを押し)、設定アイコンを選択してください。
Step2
検索に[Windows Defender ファイアウォール]と入力し、Enterを押します。
Step3
[Windows Defender ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可]を選択してください。Step4
[許可されたアプリおよび機能]のリスト内の[dobotStudio Pro]と[dobotlink]の項目のチェックを入れます。次に、プライベートとパブリックの両方にチェックをして許可をします。最後に設定の保存を行ってください。Step5
それでも接続できない場合はファイアウォールをOFFにしてください。
4-6. EnableLinkedConnectionsレジストリキーの有効化
特別に設定をしていない場合、管理者権限で実行しているアプリケーションからネットワークドライブとなるMG400, M1Proを見つけられない場合があります。EnableLinkedConnectionsレジストリキーを追加し有効化することで、DobotStudio ProからMG400, M1Proを見つけられる可能性があります。以下にて手順を説明いたします。
Step1
Win+rキーで[ファイル名を指定して実行]ウィンドウを表示し、regeditと入力して実行してください。
Step2
レジストリエディタが表示されます。エディタ内の以下の階層へ移動してください。HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
Step3
[System]を右クリックして[エクスポート]を選択し、予めバックアップを取ってください。Step4
[System]を右クリックし、[新規]→[DWORD(32ビット)値]を選択して「新しい名前」レジストリを追加してください。Step5
レジストリの名前を「新しい名前」から「EnableLinkedConnections」に変更してください。
※変更を失敗しても右クリック→[名前の変更]で再度編集できます。
Step6
作成した「EnableLinkedConnections」レジストリをダブルクリックしてください。[値のデータ]を1にして[OK]を選択してください。
Step7
ウィンドウを閉じてPCを再起動してください。再度DobotStudio Proを実行し、接続できるか確認してください。
4-7. コントローラファームウェアのアップデート
メンテナンスツールを使用して、アップデートを行います。
詳しくは弊社までお問い合わせください。
5. 上記の設定を行っても接続できない場合
上記の手順に従って設定を行っても接続できない場合、個別に対処法のご案内を行っております。下記のメールアドレスにご連絡ください。